はきものをそろえさせる?


現在の仕事を始める前、十数年前のことですが「履物を揃える」「徹底的に掃除する」話をうかがう機会がありました。

「はきものをそろえる」の一節は道元禅師のものとされ、永平寺内にも掲示してあるという有名なものです。

このテーマは今でも根強い人気で、家庭教育や道徳教育などにも取り入れられているようです。

そのときのお話も良いお話ではあったのですが、経営者向けの講演会のせいか、履物を揃えれば会社が発展する、一生懸命掃除すれば儲かる会社になるという結論付けにちょっと違和感を感じたものです。

風が吹けば桶屋が儲かるのと同じ発想ですね。

履物を揃えたり掃除をすること自体は、自分や周囲の気分が良くなることですし、物に感謝する心の現われだと思いますから、否定するつもりはまったくありません。

しかしながら、個人個人が素直な心からそういう行動を取れるようになる事が大切であるとは思いましたが、儲けるために従業員に強制的にやらせようとする理屈は私には理解できませんでした。

自分の利益のために「道徳」を利用していること、言い換えると金儲けのために善を利用していることにその時の参加者の何人が気付いていたでしょうか?

一見良い話に聞こえ、やっている本人やらせている本人も良い事をしているつもりになっていますが、よくよくその人の内面を見つめなおすと世間愛や自己愛の奴隷になっていたということが少なくありません。 自分の教えがまさか金儲けの道具に成り下がるとは、道元禅師も思わなかったことでしょう。

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