良書とは
ロンドンのナショナルギャラリーで見た数々の宗教画。
それらの描かれた場面の真偽や背景を確認したくて、久しぶりに「イエスの生涯」(自費出版)を読み直しました。
潮文社から出版されている「イエスの少年時代」「イエスの成年時代」と合わせると、この物語のページを何度開いたことか…。
それなのに一つ一つを確実に覚えているわけでは無いので、ちょっと情けないですが…。
この物語を初めて読んだ時は、ヘリ(イエスの少年時代の師)のような兄貴分が欲しいと思いました。
ある時はイエスの奇跡に興味を引かれ、ある時はイエスのたとえ話を理解しようと読み進め、ある時は父ヨセフとの関係が気になり…というように、その時々によって心に残る場面が違っています。
今回も自分なりに考えさせられる場面がありました。
その時々に印象に残る所は、自分自身の心の在り様の鏡だなぁと思います。
しかしひとつ共通していることは、この高貴な人物の物語は、何度読んでも凛とした爽やかな風が読後の余韻に残るということです。
もしイエスという人物が現代に生きていて、彼に会うことができたなら、きっとこういう雰囲気を醸し出しているのではないかと思えます。
最近のスピリチュアルブームで様々な書籍が毎月たくさん出版されていますが、手にとってみたくなるような物は残念ながらあまりありません。
繰り返し読んでも、その都度自分自身に何か新しい気付き(内観)をもたらしてくれるものが良書の一つだと思います。
単なる知識を供給するだけの本ではこうはいかないでしょう。