引き算でいこう


決してセンスの良い方ではありませんが、造形の良いものが好きです。
美しさには神が宿っていると先人のどなたかが言っていた影響なのかもしれません。
デザイン学を学んだわけではないので、あくまでも個人的主観、素人目で見た感触でしかありませんが、主張する造形のものよりも、「佇まい」という言葉が合うようなシンプルなものの方が自分の感性には合います。

昨今の自動車で例えれば、メッキパーツを多用したり、余計なプレスラインを入れてみたり、金型技術を誇示するように鋭角を際立たせたようなデザインは私にはシックリきません。
そういう自動車には見た目のインパクトはあるかもしれませんが、全体としてのバランスがチグハグになっていることが多いような気がしますし、陳腐化するのも早いものです。
色々なものを付け加えていく足し算の発想ですね。

それに対して、できるだけ無駄を削ぎ落とし、加飾は少ないながらも効果的に働き、道具としての機能美を備え、かたまり感のある全体バランスが取れているような自動車は、まさに「佇まい」という言葉がぴったりきますし、何年経っても美しいと感じられるものです。
こちらは足し算の反対で引き算の発想です。

私たちの日常生活においても、ついつい足し算の発想になってしまいがちです。
人生に意義を見出そうとあれこれやりたいことに手を出したり、充実感を得ようとスケジュールをきっちり詰めてみたり、過去の栄光が忘れられずにそれにいつまでもしがみついたままで何か新しいものを得ようとしたり、人脈やモノを持つことに躍起になっていたり…

どんどん自分に加飾を加えることで、自分が何者かになったような錯覚を得ることができますが、周囲の人たちにはチグハグな印象を与えます。
バイブレーションが荒々しく、落ち着きがないのです。

一方で自分の人生に本当に必要なものは何か、そしてそれだけで十分であるという見極めがついた方は、生活も発想もシンプルになっていくようです。
何者かになろうとする野心は消え失せ、余計な気遣いが必要な人間関係からは解放され、今あるモノで充実感を得ることができ、分をわきまえ、あらゆる事柄に感謝できるようになってくるようです。
そういう人はどっしりとした穏やかなバイブレーションを発していらっしゃいます。

引き算の発想ができる方は、「佇まい」がある存在感でいらっしゃいます。

自分も引き算の発想ができる人物でありたいと思います、自戒を込めて。

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